気象データの利活用事例集(WEB版)

北陸新幹線車両台車部の着雪量予測

企業・団体名

取り組み概要

金沢から東京に向かう北陸新幹線では、降雪時の走行中に車両台車部に雪が付着するため、多量の着雪が見込まれる列車には、前日時点で、翌日の雪落としの実施要否を判断する必要がある。現在は、気象予報と経験に基づいて判断を行っているが、着雪量の予測精度が低く、雪落とし作業が空振りする課題がある。結果として、雪落とし作業を行う必要がないのに新幹線を停車させることになり、必要のない列車遅延と雪落とし作業員の出動費用が発生している。そこで、着雪量を精度高く予測するためのAIモデルを作成し、雪落とし作業の効率化及び列車の安定輸送を図る。

対象者

自社

気象データを利用した背景・経緯

車両台車部への着雪量には、気象が大きく影響するため。

利用している気象データ

  • 2年分の冬季の気象庁観測データ(1時間毎の、気温・降水量・風速・相対湿度・天気)
  • 自社で所有する風速計・積雪深計データ

気象情報以外で利用しているデータ

  • 糸魚川駅停車時に測定する車両台車部への着雪量(車両台車部を撮影するカメラから推定)
  • 地理データ
  • 列車運行データ

この取り組みの効果

着雪量予測の精度を向上させることで、必要のない列車遅延本数の削減と雪落とし作業員の出動費用最適化につながる見込みである。

自社の商品・サービスで気象の影響があるもの

鉄道の安全運行

その他(気象データの利用にあたり工夫した点、困った点など)

予測モデルの作成にあたり使用するデータは、当日の4時時点で入手可能なものとしたが、気象データについては予測値が存在するため、当日中の気象状況のデータを利用可能とした。
社内外を対象とした予測モデル作成コンペティションを実施し、予測精度の高いモデルとなった。

参考となるHP公開情報等

データ分析におけるオープンイノベーションを推進 「データ分析コンテスト」開催(西日本旅客鉄道株式会社 HP)
https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/12/page_11563.html
JR西日本 走行中の北陸新幹線車両台車部の着雪量予測(株式会社SIGNATE HP)
https://signate.jp/competitions/58